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浅田次郎全部読もうかな。

浅田次郎著「椿山課長の七日間」読了。
一気に読んだ。一日で読んだ。
ぶっ続けで読める小説というのは、俺の経験から言って十冊に一冊あれば良いほうだ。
それだけ、傑作だという事をまず言っておきたい。

主人公・椿山和昭は、突然死んでしまった。
あの世とこの世の狭間のお役所「中陰役場」で逆送手続き(別の体を与えられての期間限定蘇生)により、妙齢の美女になって現世へ舞い戻る。
そこで、残された家族や仕事の「真実」を知っていく。
と、滅茶苦茶簡単に言うとこんな話。


正直、けなしたり批判したりする部分が見つからない。
浅田次郎といえばもはや周知の文豪であり、文章力はその辺の純文学者とは比較にならない。
余計な情報を書かず、絞り込まれたセンテンスで感情を刺激する。
吉本ばななの書く抽象的な、良い意味での「無駄さ」も大好きだが、浅田次郎のような「無骨」というか、文学を文学足らしめている要素を凝縮したような文章も非常に好きだ。
加えて、「平成の泣かせ屋」と言われるように、もう泣かせる。
氏の著書はまだ「天国までの百マイル」しか読んだことがなかったんだが、どうやらどの著書も家族愛をメインに描かれているらしい。
最も身近にして最大の愛、それが家族愛である。
泣かずにいられようか。

さらに本書で驚いたのは、浅田次郎のユーモアである。
何度笑ったことか。活字を読みながら声に出して笑ったことは、今まで数えるほども無い。
漫才やギャグ漫画のような「間」を、活字で表現している。
面白いを通り越して感心してしまった。

も一つ言うと、キャラクターがとてつもなく魅力的である。
主人公である椿山と同時に転生した、ヤクザの組長・武田勇。
昔ながらの徹底的なヤクザ者で、弱気を助け強気を挫く、任侠道まっしぐらな気持ちの良いオッサン。
そして、椿山の父。戦争での怒りを優しさに変え、他人の幸せしか願わない一本気の男。
この二人がたまらなく良い。
武田も椿山父も、結局最期はある理由で地獄行きになってしまうんだが、あれほど清々しく地獄へ向かうキャラクターを、カカロット以外に俺は知らない。
作者が余程詳しいのか、武田の属するヤクザ界、そして「任侠」がやたら詳しく書かれている。もしこの本に書かれているヤクザが、極道本来の姿だとしたら、日本はヤクザに任せてもなんとかなっちまうんじゃないかと思える。

でも一番好きなのは、椿山の転生後の姿「和山椿」である。
三十九歳の美女という設定なのだが、仕事柄熟女が周囲に多いので、その姿がリアルに想像出来たからかも知れない。
武田勇の転生後人格と、何も知らぬまま行きずりに部屋に連れ込み、接吻するシーンがある。
ここは結構興奮したんだが、よく考えると中身は五十路手前のオッサン同士なのだ。
シュール過ぎて笑ったw
あと、女の体になっていきなり生理来てビビッて慌てる椿に萌えたw
中身はオッサンだけどな……。


とまぁ、このように面白い部分が沢山ある。
加えて、思わず「ハッ」としてしまう文章もある。
ここでその一例を挙げるとなると、それに関連する物語の色んな部分を列挙しなければならないので、やめとく。
人が皆、心に留めておかなければならない事が、多々記されていた。


あ~本当に面白かった。幸せ。
巻末の解説を書いている北上次郎氏がおすすめする「角筈にて」も読みたくなった。
短編集「鉄道員」に収録されているらしい。
あれ?確か前に買ったような……て本棚にあった!!!!!!!!!
読みまくろうw
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trackback(0) | comment(0) | 2007/03/25 Sun
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